意外に古い体制で進められる不動産取引
インターネットを使用した情報公開が進められている現代ですが、実際の不動産取引の現場においては案外人間同士のつながりを重視する古い体制での売買がされています。
これは悪い意味ではなく、業界内でこれまで使用されてきた慣習がそのまま踏襲されている独特のコスト意識が持たれているということであり、またデータだけでなく売買に関わる人間関係を重視しているという意味です。
不動産取引を円滑に進めていくためには、まずはこうした不動産業界独特の習慣やコスト意識をしっかり理解することも重要になります。
特に不動産投資目的で物件を購入する場合には業界全体のコスト意識を理解せず通常の企業運営のような感覚で行ってしまうと思わぬ損失をしてしまうこともあります。
そうした意味で不動産業者を通して物件選びや購入・売却をするときには、まずその業者との信頼感を確実に築いていく必要があります。
購入時にかかる費用や売却価格などについても、1件あたりの取引額が高いことから値引き交渉などすることができるのでビジネスライクにではなく自分自身も営業活動の一つとして上手に売り込んでいきましょう。
購入時に用意しておくべきお金
不動産業界における独特のコスト意識として、物件購入そのものにかかる金銭よりもかなり多くの費用が別に必要になっているということがあります。
不動産購入をするときには物件である土地・建物の代金以外に「仲介手数料」「銀行事務手数料」「登記費用」といったそれぞれ関わる業者への支払いとともに、各種税金と保険料がかかってきます。
さらにそうした購入時最初にかかってくるイニシャルコストはローンではなく現金で支払わなければならないこととなっているので、購入をしようとするときにはあらかじめまとまった金額を現金として用意しておかなければいけません。
不動産業界の常識としてこれから購入しようとしている物件があるとき、その物件金額の総額から3~4割程度の自己資金が必要といわれています。
この割合には厳密な計算の根拠はないのですが、慣習的にそのくらいの資金がなければ実質的にローン返済や不動産運営をしていくのは難しいとされています。
最初の自己資金は先程説明した本体以外にかかる諸経費にあてられるともに、これから組むローンの頭金としても使われます。
頭金は物件購入をするときに最初にある程度の金額を振り込むことでローンで借り入れる金額を減らすことができるので、ローンの返済期間や金利として支払う金額が少なくなります。
住宅ローンを提供する金融期間でも、頭金として総額の数割を用意できない人の審査を不利とすることがよくあります。