ITと不動産投資の融合!?米国発のリアルエステートテックについて解説します

中古市場のウェイトが高い欧米の住宅事情

日本においては、住宅の信頼性の不安から、古い住宅は解体して新たに建て直すことが一般的でした。
中古住宅の取引件数は少なく、住宅取引の2割にも届きません。

ところが海外に目を向けると、米国では9割、英国では7割、仏では6割と、中古住宅取引のウェイトが高いのです。
中古住宅は新築と比較すると、価格面でのメリットは大きいものの「価値や状態が不安」というデメリットがあり、大切な家族が長く居住する住宅としては選ばれにくい状況が続きます。
加えて情報提供の信憑性や流動性が低い事情も手伝い、中古住宅市場は活性化していないのです。

米国ではリアルエステートテックが中古住宅市場を牽引

一方、中古住宅の取引のシェアが9割程度と高い米国では最近、リアルエステートテックというサービスが市場をけん引します。
リアルエステートとは不動産を意味し、テックはIT技術を意味する造語で、両者の融合により生まれた新たなサービスです。
具体的内容は、中古住宅の売買取引に関連する膨大なデータをIT技術で解析・処理して、客観性や透明性を保持した多量の不動産情報を広く提供します。

中古住宅の購入希望者が対象物件の購入判断を下すに当たり必要な情報が、的確に入手可能で、中古住宅市場の活性化に大きく寄与しているのです。
既にアメリカのZillow社などいくつもの会社がオンラインでこのサービスを開始して、希望者は簡単に利用出来ます。
いずれの社も全米の不動産データベースに基づき、中古住宅の資産価値や家賃等の有用な情報が時間をかけずに入手出来ます。
それ例外にも、これまでの取引歴や近くのエリアの物件情報など、投資に役立つ様々なデータが「リアルエステートテック」の活用によりネット上で入手でき、米国の中古住宅売買の下支えに大きく貢献します。

日本国内でもリアルエステートテックが登場

日本でも、ITを活用してリアルエステート情報の提供を始めた企業が登場しています。
膨大なビッグデータに基づき中古物件の客観的な市場価格を即時に査定したり、賃貸住宅の適正家賃を推定したりする等のサービスが開始されています。

今後は、データベースの充実やIT技術の発展により、さらに充実が進められると考えられます。
特に、アパート投資の分野で市場価格や収入家賃の査定の目安がわかれば、不動産投資家にとってサービス利用の利点は極めて大きいと言えます。

さらに、近年は人工知能のディープラーニング技術の発展により、不動産分野でリアルエステートテックのさらなる進化・活用が期待されているのです。
現在は米国が先行していますが、日本においては情報の不透明感が強くこれまで低迷著しかったため、日本の中古住宅取引こそ市場規模を広げる効果は「伸びしろ」が大きいと言えそうです。

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